第二章 生徒会長の秘密

16/16
前へ
/33ページ
次へ
「手伝います。うわさを調べるの」  ソラも気になっていたうわさの真相。  七不思議のうわさだけでなく、夏世のいる女子テニス部のうわさ。 「……本当ですか?」 「嘘をついてどうするんですか……」  まだ信じられないという様子の明香に、ソラは小さくため息をつく。 「……何だか妬けちゃうなぁ」  ぼそりと呟かれた言葉は、ソラの耳に届かない。 「とりあえず、今日は連絡先だけ交換しましょうか」  明香が自分のスマートフォンを取り出すと、メッセージアプリのIDをメモして渡した。  アニメキャラのメモ用紙には、ふたつのIDが書かれている。 「上が私のIDで、下が彩香のです。彩香にも協力してもらっているので、一応。あ、ちゃんと教えてもいいって許可は貰ってますからね!」  入れ替わるだけでなく、生徒会長としての仕事を二人で分担して行っているのかもしれない……と、ソラは思った。 「登録したら何かメッセージを送ってください」  明香に言われ、メッセージアプリを起動して二人分のIDを登録する。  そして、二人それぞれに「よろしくお願いします」と簡単なメッセージを送った。  するとすぐに彩香からメッセージスタンプが返ってくる。  猫のゆるキャラのスタンプだった。  明香からはアニメキャラのデフォルメバージョンのスタンプが送られてくる。 「何かあればいつでも連絡してくださいね」  明香と別れ、ソラは生徒会室を出て帰路についた。  
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加