ハロウィンだから?

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ハロウィンだから?

「裕貴、今日はこれを着てみてくれないか?」 それは、ハロウィン間近の日の事。 和晃さんに手渡された紙袋の中を見て、僕は固まる。 それはキャバ嬢用のコスプレ衣装で、「花魁」と書いたパッケージに包まれたシックな黒い生地に花柄の衣装だった。 「和晃さん……これ…………」 僕が和晃さんの顔を見ると、和晃さんは 「ハロウィンも近い事だし、たまには良いかな?って」 と微笑む。 「たまには?」 僕は思わずそう呟いた。 「この前は女性用の下着を着させられたし、その前は裸エプロンを着させられませんでしたっけ?」 呆れた顔をして呟いた僕に、和晃さんは抱き締めて 「ダメ?」 って、甘えた顔をした。 ……狡い。 そんな顔をされたら、「いや」とか「ダメ」って言えなくなる。 「もう……これで最後だからね」 そう言って、僕は紙袋からテロテロの薄い生地で出来た和ドレスを取り出して着替える。 「やっぱり……凄く似合うよ」 和晃さんはそう言って、スマホで写真を撮り始める。 色んなポーズを要求されて、モデルになったような気分になる。 一通り写メをすると、和晃さんがゆっくりと僕に近付き 「裕貴の事を考えて色は黒にしたんだけど…、色白の裕貴の肌に黒がよく映える」 和晃さんはそう呟きながら、ドレスの合わせからチラリと見える太腿に手を這わせた。 「あっ……」 小さく喘ぐと、反対側の手で薄い生地からプックリと立ち上がった僕の乳首が立っているのを見せるように指先で生地を押さえて、乳首の形を強調すると 「裕貴……期待してるの?まだ触ってないのに、両方の乳首が立ってる」 そう囁いて、触れていない方の乳首を服の上から舐めた。 薄い生地から与えられる刺激に、身体がピクリと跳ね上がる。 太腿に触れる手は、内腿をゆっくりと撫で上げては、立ち上がり始めた僕自身に触れるギリギリの所で下りて行く。 「やぁ……和晃さ……ん……」 身体を身動がせると、安物の薄い生地の合わせが開いて行く。 帯の役目をする太い布を巻いて、マジックテープで固定した場所に、花魁の結びを真似た差し込み式の結びを差し込んであるだけのドレスなので、僕達の間を邪魔する結びを和晃さんは引き抜いてベッドの下に落とす。 そしてマジックテープを剥がして、帯代わりの布を引き抜くと 「やっぱり……偽物だと情緒がないなぁ~」 って苦笑いしている。 「もう…自分で着せといて……」 僕がそう呟くと 「やっぱり本物を着た裕貴が見たいな……」 なんて言って、僕の頬にキスを落とす。 「本物って……嫌だよ!僕、外では着ないからね!」 頬を膨らませて怒ると 「分かってるよ…。ムキになる裕貴も、可愛いな……」 9つ年上の和晃さんは、そう言って僕を抱き締めてキスをした。 僕達の付き合いは、僕のバイト先のコンビニにお客様として来ていた和晃さんに僕が一目惚れしたのがきっかけ。 アタックの末に、まさかのOKを貰えて付き合い始めた。 お付き合いしたのもその先も……、全部和晃さんが初めてだった。 だから僕には、どれが普通のお付き合いで、どれがそうじゃないのかも正直、分からない。 でも、こうして和晃さんと一緒に居られて毎日が幸せ。 「裕貴?」 ぼんやり考えて居ると、和晃さんに顔を覗き込まれる。 「何を考えている?」 瞳を覗き込みながら、僕の右足の膝を上げて立膝を着かせて内腿から裏側を撫で始める。 「幸せだな……って、思ってた」 与えられる刺激に身体を震わせながら答えると、和晃さんは嬉しそうに微笑んで 「俺も幸せだよ、裕貴」 そう囁いてキスを落とす。
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