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「じゃあ、明日からよろしくね。」
「こ、こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。」
「あれ?大丈夫?なんだかまだ信じられないって顔してるね。」
「は、はい、まさにその通りです。
私、幸せ過ぎて夢みたいで…
ありがたくて申し訳ないような気分です。」
「……それって、本心?」
東條さんは、私を射抜くような視線で見つめてそう訊ねた。
「もちろん本心です!」
「じゃあ…もしも僕が困ったりしたら…君は僕を助けてくれる?」
(え?)
意外な言葉だった。
東條さんは、自信に溢れた人に見えるし、悩み事なんてなさそうだけど…
どうして、そんな弱気とも思えることを言うんだろう?
「私に出来ることなんて、たかが知れてるとは思いますが、私に出来ることがあればなんでもします!」
それは本心だった。
だって、憧れのベリーヒルズで働けるんだもん。
なんでもするよ。
「ありがとう!
君と知り合えて、本当に良かったよ。」
東條さんは微笑みながら、私の手を強く握りしめた。
「こ、こちらこそ。」
なんだかびっくりして頭の中は酷く混乱してたけど、私は無理して引きつった笑みを浮かべた。
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