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(はぁ…今日はいろいろあったな。)
興奮し過ぎたせいか、帰りの記憶はまるでなかった。
それでもなんとか帰って来たけど、やっぱりまだぼんやりしてて、家族にも心配されてしまった。
だけど、ベリーヒルズで働くことはまだ話してない。
話したい気持ちは強いんだけど、万一、私の勘違いとかだったら恥ずかしいから。
制服はないから、着るものはなんでも良いらしい。
でも、一体、何を着ていけば…
オフィスでは、混乱してたから、他の人のことなんて目に入らなかった。
あの綺麗なお姉さんはスーツだったけど、東條さんはラフな格好だった。
そうそう。あのお姉さんは東條さんのことを『社長』って呼んでいた。
東條さん、まだ若いのに社長さんだったんだ。
それも、ベリーヒルズヴィレッジのオフィスのだよ。
まさに、雲の上の人だ。
アクシデントがきっかけだとはいえ、そんな人と出会い、雇ってもらえるなんて、まだ信じられないよ。
オフィス…すごくかっこよかったなぁ。
以前働いてたところとは、全く違う。
明日から、私、あそこで働くんだね。
はぁぁ…幸せで胸がいっぱいだ。
結局、その日はいろんなことを考えて…明け方になるまで眠れなかった。
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