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プロローグ
「ねえ、あの2人」
「男同士だよね、手を繋いでる」
「やだぁ、腰に手を回して。体も密着してるし」
「完全にあれよね」
李仁と湊音、2人は周りからそういうふうに言われることは慣れている。そういう目で見られるのも慣れている。
だが慣れたつもりでも湊音だけは、傷つく。李仁は全く気にしていない。そんなこと言う人の方を見てニコッと微笑む余裕がある。
「また、李仁ったら」
「いいじゃん、見せつけてやりましょうよ」
ゲイである李仁は湊音以上に何回、何十回、何百回も自身の仕草や言葉で判断されて嫌な思いしてるはずなのだが。
湊音は李仁と出会ってから自分がバイセクシャルとわかったものの、李仁ほど堂々としていられない。周りには公言はしていて理解をしてもらっているつもりだが。
「普通に生活してるんだから」
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