僕の最大のワガママ

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「ん……んん…ここは……」 「気がついたか……」 目が覚めたらそこはフカフカのベッドの上だった。 そして、僕に話しかけてきたのは僕よりもずっと大きい存在だった。 頭にはツノが生え、燃えているような赤い髪に棘だらけの甲羅鋭い牙や爪があった。 「我輩の名はクッパ。この城の大魔王だ。小僧名前はなんという?」 「名前….…」 クッパと名乗る存在から名前を聞かれてたが、 僕は名前が分からなかった。 でも、記憶の中で男と女が僕の事を読んでいた名称を伝えることにする 「名前は分からないけど……よく、Jr.(ジュニア)って呼ばれてた」 「なら、我輩の名をくれてやる。貴様は今日からクッパJr.と名乗るが良い。がははは」 クッパは僕に名前をくれた。 よく見ると、怪我だらけの身体には包帯が巻かれてあったり、傷薬が塗られてたりしていた。 「何が目的なの?僕に名前を与えて、怪我も治療して…貴方に返せるものなんて僕持ち合わせていないんだけど…」 「なにもいらん…自由に生きろ。我輩が名を与えたのは呼ぶ名前がないと不便だからだ。 我が城の前で倒れていた奴を見過ごすほど愚かではない」 クッパは立ち上がり、僕の頭に手を置いた。 「怪我が回復するまでここにいるが良い。回復したらJr.の好きにするが良い…」 と言い、クッパはその部屋を後にした。 再び訪れる静寂が広がる部屋の中、僕は夢でも見てるのではないかと思った 名前を誰かにつけてもらい、誰かに名前を呼ばれる事、何にも知らないのに倒れてただけで僕を助けてくれた大きな存在、全てが夢だと思った。 「このフカフカのベッドも夢なのだったら…この夢どうか覚めないで….欲しい」 そう呟いて僕は再び目を瞑り眠りについた。
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