僕の最大のワガママ

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「食べれるか?筋肉ムキムキの身体になりたいなら、先ずは食べ物を口に入れることから始めないとならないぞ」 「……うん」 僕がクッパから朝食を受け取り、恐る恐る口に入れた。 「あ、美味しい……」 思わず素直に感想を述べてしまった。 述べた僕にクッパは当然だと言うように朝食のパンを噛みちぎった。 「クッパ城のコックは腕利き揃いなのだ!がははは」 パンを噛みちぎりながら、誇らしそうにクッパは語った。 見れば見るほど迫力がある、ただパンを食べているだけなのにその姿は骨つき肉に噛みちぎっている猛獣のようにも見えた 「……ねぇ、クッパって呼べばいいの?それともカメック婆が言ってたようにクッパ様?」 「好きに呼ぶがいい。我輩はなんと呼ばれても構わない」 クッパはパンを食べ終われば、スープに口をつける。 僕はまだスープを食べていた。 誰かと一緒にご飯を食べるなんて初めてだった。しかも、こんな温かい食べ物を僕は今まで知らなかった。だからかな?一口一口味わうように食べてしまうのは。 「……」 クッパは自分の分を食べ終えれば、僕が食べ終わるのを待ってくれていた。 僕は待たせたら良くないと思い慌ててスープを飲んでパンを頬張った 「ゲホゲホゲホ!!」 「慌てて食べなくて良い。Jrの速さで食べれば良い」 むせて咳き込む僕をクッパは、とても大きい手で優しく背中をさすってくれた。 「待たせていたら悪いと思って……カメック婆が言うには王なんでしょ?城でやる事がいっぱいあるんじゃないの?」 「やる事は当然山のようにあるぞ。だが、我輩だってゆっくりしたい時間がほしいのだ。 朝食を食べてる時が一番ゆっくりできる時間でな…Jr.がゆっくり食べてくれれば我輩も休んでいられるから慌てて食べなくて良い」 クッパは自分の鼻を軽く齧りながら話した。 僕は、その仕草に口角を引き上げた。そんな僕をクッパは見ていた。 「やっと笑ってくれたな……子どもはそうやって笑うのが一番いいのだ。」 「え、僕……笑ったの?」 クッパにそう言われて、僕は自分の顔を触った。笑うなんてことしたのは初めてだった。 笑うってこんなに気持ちが良いものだったんだ。 「なんだ、自覚なかったのか?まぁ、その反応からしてそうみたいだな…朝食も全部食べてJr.はお利口なのだな」 クッパは僕の頭を大きい手の平で優しく置いた後、僕の分の食器を持って立ち上がった。 きっと、仕事に行くのだろう。さっきやる事が多いと言ってたし。 「あ、あの……」 「ん?どうしたのだJr.よ」 これは僕の夢の中だから、少しわがまま言っても大丈夫だよね。 「魔王の仕事見てみたい…だから、僕も連れて行って」 「別に我輩は構わんが、退屈かもしれないぞ?」 クッパは僕のわがままを受け入れてくれた どうせ、僕の夢の中なんだからどんな夢になってるのか見てみたいとも思ってた 「うん!行く!!」 僕が言うとクッパは自分の肩に僕を乗せてくれた。僕が乗ってもフラつきが一切なくガッチリしていた。 「我輩の足に合わせてたらJr.の怪我の治りが遅くなる。我輩の肩に乗っていろ」 「うん!」 クッパは僕を連れて部屋へと出る。 僕はクッパの肩から落ちないようにしっかりと頭に掴まる。
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