僕の最大のワガママ

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歩けば歩くほど緑が濃くなっていった そこは森というよりは山と言ったほうが良いのかも 斜面だし、岩場が多くなってきてるし そして、クッパはある場所に止まり僕を降ろした その場所について驚いた 「ここは、僕が意識を失って倒れた場所!?」 「そうだな…これで夢でない事がわかったか?」 えっ、だって…ならおかしいじゃないか クッパはお城の前で僕が怪我して倒れていたと言ったじゃないか 「でも、僕は城の前で倒れてたって….」 「あれはJr.に嫌な記憶を思い出させないようにしたかったのだ。本当のこと話したらJr.にとって怖い記憶が蘇ってしまうと思ってな」 そうだったのか… じゃぁ、本当にここは現実で僕は生きているんだ なら、疑問がいっぱい出てくる 「あの日は雨が降っていて、辺りは真っ暗だったのになんでそんな所にいたの?」 いくら近辺捜査すると言ってもここは城から遠すぎる。しかも、ここは山の中… くる理由なんて思いつかないんだけど… 「あの日は我輩今日みたいに後継の事を散々言われた後で少し1人になりたくてここへ訪ねた。雨が降り出したのはこの山に入った後だったが…このモヤモヤした気持ちが雨で流されると思って雨に打たれていたのだ」 なんともクッパらしい発想だなぁ でも、僕も同じこと思ってた。 「そんな感じで雨に打たれながら歩いていれば1組の男女が崖から何かを落としたのを見たのだ。そして、山から消えた。暗かったから我輩の事も気づかなかったようだな」 クッパはその時の事を鮮明に覚えていたみたいで僕の頭に手を置いて話してくれている きっと1組の男女は僕を産んだ親だろう それを聞いて僕は俯いた 「男女が消えた後、我輩は落としたものが危険物じゃないかを確かめる為に崖から降りた。そしたら、Jr.がそこにいたのだ」 「……」 クッパが話し終えると、僕は俯いたまま何も言えずにいた 「憎いか?親が」 「……フルフル」 俯いたまま首を横に振った。 その動作にクッパは少し驚いていた 僕は俯いたまま口を開けて話し出す 「確かに僕を捨てた親はひどい事してるけど、僕はそれで助けられて色々な始めてをもらったから憎んでないよ」 「Jr.は子どもなのに凄く冷静に考えるのだな。普通は憎むべき存在であろうに…実際に我輩がJr.を見つけた時あの男女の事を思い出して怒りが沸騰したのだ」 クッパの顔は本当に怒っていた。それは僕に対してではなくあの男女に対して。 だから、僕はあの2人の事を憎まない。 クッパが僕のために怒ってくれているのが見られたから 「僕のために怒ってくれてありがとう」 「怒って当然なのだ。親が子を捨てるなど許されるべきではない。」 クッパの怒りを買ったのが運の尽き 多分クッパの事だから僕を捨てた親を見つけたらきっと八つ裂きにされるんだろうなぁ 「Jr.よ、これで現実なのはわかったであろう?現実とわかった今でも我輩の城の後継になりたいと思うか?」 あ、そうだった。ここへきたのは元々僕がここにいるのが夢じゃないってクッパが証明する為だったんだ。 夢じゃないってわかった今でも僕は… 「なりたい!」 そう断言出来た。 クッパも僕の瞳をみて立ち上がったまま僕に聞いてきた 「……後悔しないか?大魔王になるという事は皆から畏れられる対象になるという事。その覚悟がJr.にはあるのか」 「あるよ!僕が畏れの対象になる!!今はそんな力はないけど…なってやるんだ! だから……だから…クッパの事を…ゴニョゴニョ」 最後の言葉は恥ずかしくてうまく言えない けど、言わないとダメだ。 クッパに僕の最大のワガママをぶつけるんだ! 「僕の親になってほしい!クッパのことお父さんって呼ばせてほしいんだ!」 言った!言えた!! 僕の最大のワガママ…あとはクッパの返事を待つだけだ お願いです。僕のワガママ受け取ってほしい 「……なら、我輩もJr.にワガママを聞いてもらわなければならない。」 えっ?クッパのワガママ? 「Jr.よ、これから我輩の息子になれ。我輩の事を父と呼べ」 「〜〜ッ!」 クッパに言われた瞬間僕はクッパに抱きついた なんでかわからないけど、無性にクッパに抱きつきたかった。 「おぉっ、Jr.よ。いきなりどうしたのだ?」 「なんでもないよ…お父さん!!」 僕は早速クッパの事をお父さんと呼んだ。 クッパも呼ばれて最初は驚いたがすぐに僕の頭を撫でてくれた 大きくて優しい掌。僕の大好きな掌。 「では、早速城へと戻り皆の者に伝えなければならない。Jr.よ、城へ急ぐのだ!」 お父さんが指を鳴らすとどこからともなくクッパクラウンが飛んできた クラウンに僕とお父さんが乗り込めば一目散に城へと戻った
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