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ーーザァーザァー
雨が降っていた
雨は好きだ
僕の傷ついた体の怪我を流してくれるから
鉄の混ざった匂いと生臭い匂い
その両方とも雨が流してくれるそう思えたから
僕には親と呼べるものがいない、違う正しくはいなくなった
僕を産んだ親は僕の事をゴミ箱に捨てた
記憶はそんなに覚えてないけど、男にぶん殴られた。女が僕に何かを刺してきた。
力がなかった僕は男と女に容赦なくズタボロにされた。
その後、汚物を捨てるようにゴミ箱に捨て
山の中に僕が入ったゴミ箱ごと崖から落として去っていった
崖から落とされたのにゴミ箱が衝撃を吸収して僕はまだ生きてはいた
でも、それも時間の問題だ。
この暗い森の中、傷だらけの身体、打ち付けるように降り続く雨…
僕は自分の命もここまでだと悟った。
悟ると、意識がどんどん遠のいて僕はそのまま目を瞑った
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