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エリーは沸いたお湯で珈琲やお茶をいれながら、反論する。
「だって皆でまわさないと。私は育児や親の介護もないんだし、デートする相手とは一緒に住んでるし」
私はクッキーをお皿に用意して
「そうは言っても、近頃顔色悪いわよ」
だから、心配なのだ。
私がエリーと恋人として交際始めたのは、今から20年近く前。
その間に彼女と遠距離恋愛、私の現地法人への転職、エリーとの結婚があった。
それより前、初めて彼女と出逢ったのは学生時代だった。私は留学した大学近くに下宿した。その時のルームメイトが彼女だった。
当時は2人とも仲の良い友人以外の何者でもなかった。
厳しい家庭環境に育った事を含め、共通点が多かった。
時期はバラバラでも、お互い異性の恋人もいたりして、今みたいな関係になるとは思っていなかった。
転機が訪れたのは卒業後だ。
私は帰国して社会人になり数年勤めて、転職した。新しい勤め先は外資の商社。
仕事で渡米した時、離婚してシングルマザーとしてクレアを育ててる真っ最中のエリーに再会した。
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