1.中島沙耶(GK)

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エリーは沸いたお湯で珈琲やお茶をいれながら、反論する。 「だって皆でまわさないと。私は育児や親の介護もないんだし、デートする相手とは一緒に住んでるし」 私はクッキーをお皿に用意して 「そうは言っても、近頃顔色悪いわよ」 だから、心配なのだ。 私がエリーと恋人として交際始めたのは、今から20年近く前。 その間に彼女と遠距離恋愛、私の現地法人への転職、エリーとの結婚があった。 それより前、初めて彼女と出逢ったのは学生時代だった。私は留学した大学近くに下宿した。その時のルームメイトが彼女だった。 当時は2人とも仲の良い友人以外の何者でもなかった。 厳しい家庭環境に育った事を含め、共通点が多かった。 時期はバラバラでも、お互い異性の恋人もいたりして、今みたいな関係になるとは思っていなかった。 転機が訪れたのは卒業後だ。 私は帰国して社会人になり数年勤めて、転職した。新しい勤め先は外資の商社。 仕事で渡米した時、離婚してシングルマザーとしてクレアを育ててる真っ最中のエリーに再会した。
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