1.中島沙耶(GK)

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久しぶりに出会った彼女は、やつれていた。 学生の時感じた、品の良いお嬢様然とした雰囲気が失なわれていた。仕事と生活に疲れている感じだ。 私も最初会うつもりはなかった。 出張先がたまたま留学中住んでた街の近くだったので、卒業以来ご無沙汰だった下宿先のホストマザーのたジェシカと連絡をとり、足を延ばした。 歓待してくれたジェシカは、ついでに 「貴女とルームメイトだったエレノアも、未だこの近くに住んでるわよ」 と教えてくれた。 更にエリーが同じインターンだった医大生と結婚し、子どもが出来たが別れた事。そして今、母校の附属病院で働いてると話してくれた。 エリーとは卒業後しばらくは、近況を語り合っていた。 新人として悩み、恋愛事情、共有出来る事があるうちは、距離が離れても阿吽の呼吸で分かり合えた。 しかし仕事が忙しく、面白くなってくるに従って無精になっていった。 親友だから、いつか又連絡取り合えば、長い不義理も許してくれるだろうと甘えた。 その間に彼女の環境が激変したのも知らず。 考えた末、以前彼女が使っていた連絡先に会いたい旨を入れた。これで返信がなければ勤務先に行くか、諦めるか悶々とした。 彼女が大変な時、何某かの手段を講じて寄り添っていなかった自分を恥た。 商談がまとまり帰国の前日、返信がきた。 今夜なら会えると。 そして訪問先に指定された住所は、下宿先から程近かった。
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