1.中島沙耶(GK)

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チャイムを押し、招かれたアパートの階段を登った。 部屋のドアが開き、卒業式より少し老けたエリーが出てきた。 「ハーイ」 私は努めて明るく振る舞った。 「沙弥!」 彼女は、ハグしてきた。 「久しぶり!元気?わっ」 エリーの背後から小さな女の子が走ってきて、勢い良くエリーに駆け寄った反動で、彼女からハグを受けてた私にも衝撃が及んだ。 「こらっ!クレアったら、ママのお友達ビックリするでしょ」 小さな女の子は、エリーの脚にへばりつき、私から顔を隠す。 「今晩は!クレア!私はママの親友のSAYA・Nakajima宜しくね」 クレアの目線になる様、しゃがみこんで挨拶した。 「入って。クレアがオモチャを散らかしてるけど」 目と目が合い恥ずかしかったのか、クレアはエリーに思いっきり抱きついたと思ったら、ダッと部屋の奥へ駆け込んだ。 「散らかしてないもん!クレアの宝物、おきゃくさんに見せるんだもん!」 奥から可愛らしい声が聞こえる。 「…元気だね」 「お陰で頭が痛い時もあるけどね」 2人で笑い合い、ダイニングキッチンに移動する。 「いつまでいられるの?」 「明日の夜の便で帰る」 「まぁ!もっと早く連絡すれば良かった…ごめんね」 エリーは私に席を勧め、お茶の準備をする。 ハーブティーの香りが漂う。 彼女が学生時代から飲んでいた懐かしい匂い。
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