旅路への出発

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旅路への出発

 「現世駅に戻るには強く念じればいいんだっけ? 」 康二は言われた通り現世駅を強く思い描いてみた。濃い霧が出て、その先に現世駅が建っていた。  とりあえず黄泉の国駅に戻る、康二はそう決めたのだった。  電車に乗り込み、出発すると、駅員が回っている。切符の確認らしい。康二の目の前に来ると、 「納得はされましたか?」   事情を知っているような感じで聞いて来たので、 「納得はできませんよ、でも、もう死んでしまいましたから」  ありのままを答えた。また、5分か10分星空を眺めながら、到着を待った。  こう言っては何だけど、この電車に乗ってる時は気分がとても良い。なんせ星空の中を窓を開けて乗れるんだ。こんな贅沢な眺めは滅多にないだろう。  眺めに浸っている間に、黄泉の国駅に到着した。 こないだも思ったけど、スッゴクデカイ、エスカレーターだけで何本あるんだろう。  康二は思った。ここが黄泉の国だとして、これからオレはどこに行くんだろうか?  康二にしてみれば真剣な疑問だった。また、駅員さんに聞くしかないだろうな.... また、改札口の駅員さんに話しかけてみる。 「あの、これからオレはどこに行けば良いんですかね?」 「駅から1回降りて役場に行ってください。そこで行き先が決まります」 「役場?行き方は?」 「駅を強く念じれば着けますよね、役場も一緒です。 それが黄泉の国の移動のやり方です」 「わかりました、ありがとう」  康二は礼を言い、黄泉の国駅から外に出た。 「役場、役場、役場!」 康二がそう念じると高層ビルが目の前に現れたのだった。  とりあえず中に入って役場の人に聞いてみた。 「すいません。ここで黄泉の国から先の行き先が決まると聞いたんですが」 「それでしたら、8Fの閻魔のところでお願いします。」 閻魔?閻魔ってあの閻魔大王?康二はエレベーターに乗って8Fまで行く事にした。
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