0人が本棚に入れています
本棚に追加
中森さん
もう少し、もう少しだ。早く家についてほしい。
俺はそう思いながら、早歩きで急いでいた。真上にある太陽の光を浴びているのもあり、身体中から汗が出ていて気持ち悪い。それだけじゃない。
最悪だ。給食で余ったご飯と牛乳。今日、二人休んでいたから、それぞれ二つ余ってて、どちらともおかわりで貰って食べた事を後悔している。ジャンケン大会で勝たなければ良かったって思っている。あの時はすごく喜んで、一番の人気者神田君から「お前、つえーな、すげーわ」って言われて、それが何か嬉しくて、全て食べたのが何だか昔の事のように思える。
大好きなカレーとご飯の組み合わせは最高だ。給食のカレーは家のカレーとまた違って、甘くて美味しいし匂いを嗅ぐだけでお腹がすいてくるのだ。
最悪の展開になったのは、給食が終わって、みんなで昼休みで遊んでた時だ。ケイドロをしてて、俺は一人で逃げていて、校舎の裏庭の所で隠れていた。そういう遊びの時でも隠れている時、すごく緊張するというか、胃が痛くなる。虫が飛び回る中、急にお腹がとてつもなく痛くなって、焦ってきた。
裏庭の木々から漏れる日光は容赦なく暑くて、その時から汗が凄かったのだけど、変な冷や汗みたいなもの多分この時からあったと思う。
俺はトイレに行こうと決心した。
近くにあるトイレはどこだろうと、必死になって考えて足を運んだけどこういう時に脳みそは上手く働いてくれない。
だから、近くの図書館がある建物に入り、もう靴も脱がずに廊下を走った。トイレを見つけた時、100円玉を拾った時と同じくらい、嬉しかった。それに他の人もいなかったので、安心してドアを開けたらトイレットペーパーが無かった時、家の鍵を落とした時と同じくらい、ヤバいと感じた。
そして全てが終わりました。
だけど、俺は諦めませんでした。というのもこのまま馬鹿正直に誰かに言ったら、「中森はウンコマンだ」と言われるのが目に見えているし、せっかく転校して慣れ始めてきたにもかかわらず、イジメにも遭って友達が離れていくのもイヤだった。
だから、俺は決心した。学校を抜け出そうと。
トイレから建物までの出入り口も、そこから学校の裏門からも距離はさほど遠くないし、人も全然いないから、いけるなと思いました。
裏門も閉まっているけど、その隣の裏庭を囲んでいるフェンスは簡単に登れるし、門よりも高さが無いので、そこから抜け出そうと考えた。皮肉なもので、全て出た後に、脳みそはすごく働く。ちくしょう、と叫びたかった。
グラウンドで遊んでいる大勢のみんな声が聴こえてくる。そのみんなが今断然羨ましい。俺だけが悩みを抱えているし、なんか感触が気持ち悪いし、臭ってきたし。
俺は早歩きで建物の出入り口を出た。当たりを見渡して裏庭のフェンスまで駆け寄って、勢いよく登った。誰にも見られてないし、運よく、フェンスの向こう側の通りにも人がいなかった。やはり神様は優しかった。
よじ登り超えて、降りている時、図書館の窓が見えた。女子がこっちを見て
最初のコメントを投稿しよう!