専務とわたしの隠しゴト

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「ああっ、私の話も聞いてくださいよっ」 と腕をつかむと、万美子は、のぞみを見下ろし、言ってきた。 「傷心のこのとき、人ののろけ話なんて聞きたいわけないじゃない」  のろけてません~っと訴えたが、 「いいから、コンパ行くわよ。  ああ、来週結婚するんだっけ?  じゃあ、再来週くらいでいいわよ」 と万美子は言い出す。  いや、待ってください。  来週、結婚式なら、じゃあ、再来週、コンパでっておかしくないですか!? 「ちゃんと私を盛り立てるのよ。  いいわねっ?」 「いや、ちょっとっ。  待ってくださいっ。  待ってください、万美子さんっ」  万美子さんーっ、とまだ食べかけだったサンドイッチを慌てて紙袋に戻しながら、のぞみは立ち上がった。
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