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「あら、またあなたなの!」
入って来た男の子を見て、わたくしはついそう叫んでしまった。
「へん、また俺でごめんよ」
生意気にそう言った男の子は、上下とも緑色の服を着ている。木の葉で出来た奇妙な服で、いつだってこの格好だ。遺失物相談係に来る時はこれ、と決めているのか、それとも他の服は持っていないのかも知れない。
「まさか、また落としたんじゃないでしょうね」
男の子は身軽なスキップでぴょん、ぴょんと近づいて来ると、わたくしの前にある相談者用の椅子にぴょんと座った。床に届かない脚をぶらぶらさせている。
「見ればわかるだろ?」
悪びれた風もなく、そう言うので、わたくしはデスクの下に頭を入れて、男の子の足元を見た。そして深くため息をつくと、元の姿勢に戻った。
「どうしてあなたは、懲りないのかしら」
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