16人が本棚に入れています
本棚に追加
変態の見る世界
皆のコンプレックスを隠し、ないものねだりによる無益な争いを抑え、自分が自分であるための神の情け。
目が合った。変態は深く頷き、白ブリーフの端に手を掛けながら微笑んだ。
「あい、やー……」
涙が溢れてきた。走馬灯のように蘇る思い出。長かったけど、これでようやく、変態の変態が変態たる変態に辿り着いた。
「おめでとう」
変態の穿く白ブリーフはまるで、快晴の元に干されている洗濯後の白ブリーフのようにキラキラと光り輝いていた。これが。
変態の見る世界なのか。
「ありがとう」
僕は今日、一皮剥けた。
最初のコメントを投稿しよう!