友人から恋人へ

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*** 仁科安珠香(にしな あすか)28歳、 今年の9月には29歳になるアラサーだ J航空のcabin attendantになって今年で7年目 国際線勤務になって4年目 実家は新宿の四谷にあるが 現在は通勤に便利な成田市にマンションを借りて住んでいる 家族は都内3箇所に英会話教室を経営する両親と 大手広告代理店の営業部に勤める4歳下の弟、航輔(こうすけ)がいる 実家の同じ敷地には母親の実家である私の祖母の家もある 祖父は2年前に他界した 因みに私の父は仁科家に養子に入っている そして、さっきまで一緒だった高野 聡(たかの さとし)は 幼馴染みであり私の婚約者でもある28歳の商社マン。 M商事のニューヨーク支店に駐在して2年半が過ぎ 今年の8月には東京本社へ戻ってくる予定だ そもそも聡とは近所に住む同じ年の幼馴染みという関係だった 私達は幼稚園、小学校、中学と一緒だったけれど 小学校の5年6年の2年間だけしか同じクラスになったことはなくて 私達よりは母親同士が仲が良く たまに母親と一緒に聡の家に招かれた時に 一言二言、言葉を交わす程度だった 聡は幼稚園の頃からやんちゃなひょうきん者で クラスのムードメーカー的な存在だった そんな聡も中学校に入った頃から一気に女子から騒がれるようになる 野球部のエースになり、生徒会長も務めたりとにかく目立っていた 当時人気だった青春ドラマの俳優に似ていたこともあって 下級生の間でファンクラブも結成されるなど結構な人気者だったと 仲良しだった由美ちゃんが言っていた 因みに私は聡についてあまり記憶が無い
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