友人から恋人へ

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再会した聡はW大学経済学部の2年生で 友人達とそれはそれは楽しいキャンパスライフを送っていたらしく 流行りのファッションを身につけ 長身でイケメン風 (この時私は聡が世でいうイケメン枠だとは全く思っていない) 軽音楽のサークル部屋で友人達の輪の中でギターを弾いていた なかなか上手いギターの腕前に私の親友の薫が興味を示し その教室を覗いたのがきっかけだった 最初、輪の中でギターを弾いている男性が聡だとは分からず ちょうど演奏が終わった聡が私に気づいたのが先だった 「安珠香!」と呼ばれて気づいた途端、吹き出すという 聡にとっては随分と失礼な再会だったにも関わらず その後、友人達と別れて私と薫の為に校内を案内してくれた 大学生の聡は小さい頃のガキ大将の面影は無く 穏やかで優しい男性に変わっていた 聡は中庭のパラソルの下に私達を案内すると 模擬店の食べ物をずらっと並べてくれて 夕方になるまで昔話や近況報告を語り合い何時間も盛り上がったのだった 聡とは懐かしさも手伝ってそれ以降、 月に1度くらいの割合で会うようになる どちらからともなく 大学時代には就活の大変さを吐露しあい 私が航空会社、聡は総合商社への内定が出た時は 抱き合って喜び祝杯をあげた 就職してからは仕事の悩みや 恋の相談など気の置けない幼馴染みだからこそ 話せる飲み友達になっていた そんな私達の関係も あることがきっかけで転機が訪れる 仕事への評価も上がりつつ 忙しいながらも充実して来た去年の春 私がフライトでニューヨークに行った時のことだった OFFの日に同僚と五番街のティファニー本店にある 「ザ・ブルーボックス・カフェ」で ランチをとっていると、バッグの中のスマホからメール音がした 見ると、聡からだった
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