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=急で申し訳ないんだけど今夜時間をとれないかな。
課長がどうしても安珠香に会わせろってうるさくて
凄い高級なレストランでご馳走するって言っているから来て貰えないか?=
いつも月ごとにフライトスケージュールが決まると
事前にそれを聡に送り、
ニューヨークのフライト日にお互い都合が合えば
会う日を決めるという形を取っていたので、
現地に来てから呼び出されるのは初めてのことだった
決め事にはきちんとしている聡が
急にメールで頼んでくるということは
上司がよっぽど断れない重要な存在だということなのかも…
まさかホステス役を私にしろとか?
いやいや真面目な聡に限って
私を仕事に利用するなんてあるわけないか
高級レストランだと言ってるし行きますか〜
そんな軽い気持ちで私は=OK=の返事を打ち
その日の夜、MoMA美術館の中にある
とても贅沢なフレンチレストランへと出かけて行った
聡の上司の棚橋課長はセンスの良いスーツが似合うダンディな人だった。
40歳と言っていたがもっと若く感じたのは
温和な優しい笑顔だったからだろうか。
課長が予約してくれたMOMAのオブジェがある
中庭に面した席に案内され私は緊張でふうっと息をついた
食事が運ばれてきた後、ワインで乾杯する
「硬くならないで、仁科さん
今日は急に呼び出してすまなかったね
それにしても
いやあ、高野君に聞いていた以上に綺麗な人で驚いたなあ
さすがCAさん、スタイルも良いし服装のセンスも良い
こいつが飲むといつもあなたの名前ばかり出すんで
一度お会いしたくてね」
「いえ、今日はお招きありがとうございます
さすがにこんな高級フレンチは初めてなので緊張してしまって
しかも 初対面でこんなに褒められたことがないので
どんな顔をしてここに居れば良いのかと。。。」
「いや、私はお世辞は言わないから。なあ高野」
いきなり同意を求められた聡は
手にしたワイングラスを慌ててテーブルに戻し大きく頷いた
「そうだよ、課長は正直だから嘘は言わない
特に女性にはね」
それを聞いて棚橋さん得意そうに
「ほらね」と私を見た
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