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ひかりのたまご-1
いつもとは何かが違う──そう感じていなかったと言ったら嘘になる。
でも今までにも(あれ?)と思ったことはあって、結果そのすべてが「気のせい」だったのだ。
だからぎりぎりまで向き合おうとしてこなかった。
期待して、そのたびに裏切られてきたから。
けれどもうこれ以上気づかないふりはできない。
説明書には、「水平な所に置いて、一分ほど待ってから窓枠の中を確認してください」と書いてあった。
時計を見るまでもなく、まだ三十秒も経っていないだろう。
それなのに窓枠の中にはもう、赤い線が二本、くっきりと浮き出ていた。
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