ひかりのたまご-6

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ひかりのたまご-6

(あれ? 今何時だろ……) 気がつくと私はリビングのソファにいた。 いつの間にか眠っていたようだ。 (不思議な夢を見たな……。不思議で、幸せな夢を) 頬には最後に触れた光の玉の温かみが残っている。 それから、綿毛よりも毛皮よりも繊細で優しいふわふわの感触も。 私はゆっくりと立ち上がり、時計を振り返る。 「え」 病院から帰ってきたのはお昼過ぎだったはずなのに、もう夕方になっていた。 時計が壊れたのかととっさに窓を見たけれど、外には確かに夕日のオレンジ色が見える。
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