5つ目『増々続きが楽しみになった』

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『やりたい事を他人に『無理だ』って決められるのが悔しくて。だから…… 怖かったんだ。人に相談するの……』  今なら、いや、ずっと前から知っている。人の努力を知らない人間に馬鹿にされる苦しさを。  だから逃げてきた。普通を隠れ蓑にして、何かに熱中する人を羨ましがっていた。  でも、それを今岡さんが目の前で蹴破って見せたから。 「俺、勇気貰ったんだ」 「勇気?」 「うん。頑張ってる…… 人に」  それが今岡さんだと言う勇気は流石に無かった。言われた本人も対応に困るだろう。  ただ、そこで躓いた事によって、冷静な自分が戻ってくる。何意味わからない独り語りしてんだ。ヤバイ。これ完全に痛い奴だ。 「ご、ごめん! え、えっと、何話してんだろ。あの、今の忘れて!」  こっぱずかしさを隠す様に片手で顔を覆う。結局は夢も無ければ努力も嫌いな空っぽ人間だって露呈しただけだ。
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