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彼女の決定打に、心の中でドラム缶が大げさなな音を鳴らし落ちてきた。痛いかなんて一瞬で判断できない。
けど、苦しい。
「なんてね! いや、あたし幼馴染居てさ。でも、あたしの親友と付き合っちゃって。それも小学生の頃から親友と幼馴染って両思いなの。目が見えてても入る隙なんて無いのにね? けど、心のどっかで『もし見えてたら何か変わってたかも』って。てか、もう昔の話なんだけど」
知ってたよ。
だって、今岡さんの幼馴染って“清水”だから。
いつも俺を助けてくれてたのは、清水と話す為だってわかってた。わかってても気付かないフリしてた。こんな自分にも味方が居るんだと思いたくて。
でも何でか、本人から直接聞くとめちゃくちゃ辛い。自分の胸を押さえつけてみるけど、酷くなるだけ。
そしてわかった。あぁ、今岡さんの事好きだったんだ。そして今、失恋したんだ。
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