時間の狭間

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帰りたくないなぁ。 賑やかな教室。騒がしい同級生と怒ると怖いけど優しい先生。帰りの会が終わって教室の空気が一気に緩むなか、僕達は校庭に転がるように駆け出す。早く行かなきゃいい場所取られちゃう。今日は何かな、サッカー?野球?ドッジボール?それとも……期待は膨らみ、時間は進む。 「じゃあなー!また明日ー!」 一人、また一人、そして、僕達から僕、一人。 習い事がある子、塾に行く子、親の迎え、門限……いつもいつも最後は僕。サッカーも野球もドッジボールも何もかも、僕一人では出来やしない。でも、それでも 「アンタまだこんなとこいたの!?」 「今日は"あの人"が来るんだから早く帰れってアタシ言ったよね!?」 「今までもアンタのせいで苦労させられてるのにアタシがあの人と結婚出来なかったらどーしてくれんの!?」 「ほらさっさと帰るよ!!」 帰りたく、ないなぁ。
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