少 女

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「今日もいたね」  そう言うと、彼女は昨日と同じく僕と同じベンチに腰かけた。そして真っすぐに夕焼けを見た。 「…真木野修太くん」  彼女は僕の名前をさらりと言った。僕は驚いて彼女の顔を見た。彼女は僕の方を振り向くことなく、微動だせずに夕焼けを見ていた。 「君は、何か探してるの?」  そう言って、僕の方を向いた。初めて目が合った。次の瞬間、彼女はそっと微笑んだ。何?なんで僕の名前を知ってるの? 「あの日から、君は何かを探してるの?」  彼女は微笑みから真顔に戻り、僕に問い掛けた。僕は彼女の目を見つめながら、心臓が高鳴るのを感じていた。この人は…。 「君は…誰?」  気が付くと、僕は彼女に問い掛けていた。僕の…何を知ってる?  彼女は僕の質問に答えることなく、ふわりと微笑んだ。夕日に照らされた彼女の顔は陰影がはっきりしてて、僕の目に焼き付いた。  そしてすっとその場から立ち上がると、何を言うこともなくベンチを後にした。 「ちょっと、待って!」  僕もベンチから立ち上がり、彼女の後姿に声を掛けた。しかし彼女は振り返ることなく、公園から立ち去った。  僕は呆然と立ち尽くして、彼女を見送るしかできなかった。
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