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ギリギリの出席日数で中学を卒業できたものの、勉強にはついていけるはずもなく、僕は高校への進学を諦めざるを得なかった。
別に悲しくもなければ、悔しくもなかった。将来を按じた祖父母は、ひとまず僕をフリースクールに入れた。
されるがままに人の用意してくれた道を進む。自分というものがなかった。したいことも、将来の夢も。あの日以来、僕は生きる屍と化していた。
『このままじゃいけない』と思えてる頃はまだいい方だった。今となっては、そんな感情すら出てこない。
何のために生きてるのかが分からない。それを不安にすら感じない。僕はもう、半分人ではなくなっていた。
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