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非常識に短い婚約期間は着々と過ぎていき、婚儀の日が迫る。
リチャードは騎士団の仕事が忙しく、いまだにデートどころか婚約の挨拶にさえ来られないままだ。無理して来なくてもいいと言ったのはアーサーなのだが、やはり微妙な気持ちにはなる。
ただ、両親のウィンザー公爵夫妻は当人抜きで挨拶に来てくれた。どちらも物腰が柔らかい印象だ。シャーロットには申し訳ないことをしたと頭を下げられて、こちらが恐縮したくらいである。
婚儀の準備についてはすべてウィンザー家に任せてあるが、進捗に問題はないと聞いている。さすがは公爵家というべきか。ウェディングドレスもいっさい手を抜かずに間に合わせたらしい。
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