不思議なマッサージ屋さん

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「あの……それで私になにが言いたいのでしょう」 「それはマッサージが終わる頃には自然と気がついているはずよ」 「そうですか……」 それ以上は深堀りせず、今はマッサージに集中した。 「ここをこうやって……と」 彼女は何やら一人で呟いていた。 そういえば気がついたことがある、特定のある場所を押されると特に気持ちがいい時があるのだ。 「ねえこのマッサージって決まった作法とかってあるの?」 「うーんいろんな作法というか流派あるけど、私がやっているのはオイルを使ったツボ押し式ってやつかしらね」 「ツボ押し?」 「体には神経ってものがあって、そこが集中している箇所をツボっていうの。そこを刺激すると、体に治癒効果がある……って先生から習ったわ」 「へえ」 私はぼんやりとだが、以前なろうとした道士の理論に似ているなと思った。 グーッと時にはグリグリと彼女のいうツボを押されるたびに、こわばった足がほぐれていくのを感じた。 毎日この安宿と案内所を往復するだけの生活をここ数ヶ月送ってきたが、その間にここまで体が疲労しているとは思いもしなかった。
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