不思議なマッサージ屋さん

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「あら、ごめんなさい。まだ自己紹介も済んでいませんでしたね。私の名前はアリスと申します。 あなたが所属しているギルド経営者の娘で、歳は……あなたと同じくらいかしら?」 「アリスさんですか、よろしくお願いします。私は16歳なのでおそらく同じくらいかと」 「あらじゃあ全く一緒ですわね、それで要件というのがこれです」 アリスと名乗る少女は、手に提げているバケットから何やら液体の入ったボトルとティーセットを取り出した。 「これを……私に?」 「はい」 屈託のない笑顔がすっかりと冷たくなっていた私の心を幾分か暖めてくれた。 「ただ注意してくださいな、これは一つは飲みものですが、もう一つはあることに使うためのものなんです」 「あること?」 「はい、マッサージという癒やしの魔術のためのもので、これはそれに使うアロマオイルという薬草ですわ」 「魔術!アリスさんは魔術師なんでしょうか?」 「いえ、違いますわ」 彼女はニコリと微笑返した。 「ただそういったほうがあなたにとっては、伝わりやすいと思いまして」
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