不思議なマッサージ屋さん

4/16
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「なるほど……でももうひとつのものはわかります、お茶という高価な舶来品でしょう」 「よくご存知で。 そうですもうひとつはお茶ですわ。 マッサージの前に飲んでいただくと、より効き目が増しますので」 私は見慣れない物たちに目を輝かせ、これはなにをするもの?と一々尋ねるたびに胸をときめかせた。 「それではお茶をお淹れしますわ。貴方火を炊くことはできまして?」 「はい!料理をするぐらいの火なら。今日錬金術師になるための講習で習いましたので」 私は暖炉に薪をくべ今日習った通り、小さな火を起こしてみせた。 彼女は私のおこした小さな火を使い、ヤカンで水を炊いた。 「水が沸騰するまで、なんで私がここに来たかお話しようかしら」 ちょうどいい湯加減になるには少しばかり時間がかかるらしく、それまではしばらくは暇だからと言った。 「聞かせてください」 「まあ大した理由ではないのだけれどね。 ここ数ヶ月私ぐらいの年の女の子が、ずっと同じ部屋に泊まっているから。 そのなんでしょう、 友達になってほしいなと思って。 それで、疲れているだろうしマッサージでもしてさしあげようかなと思いまして」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!