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祐作、コウ、万太郎がお参りを終え、帰路につこうとすると、コウが「旦那様」と呼び掛けた。
「私、ここの神主さんにお礼を言いたいのです。万太郎を連れて、先に戻っていてくれませんか」
「なんだよ、そういうことなら俺も一緒に行くぞ」
「この後、お得意様の篠田屋さまがいらっしゃる予定でしょう。あなた様だけでも早く戻られた方がいいわ。万太郎も眠そうですから、背負って帰っていただけたら助かりますわ」
「わかったよ。気をつけて帰れよ。ほら、万太郎。父さんの背中に乗れ」
祐作は、万太郎をおぶさると、鳥居をくぐって境内を出ていった。
コウはそれを見届けると、お社の裏手に回った。
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