息子の七五三

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 間に入ってきた辰吉を無視し、祐作はコウをじっと見つめた。 「お前、なかなか子ができなかったのを、そんなに思い詰めていたのか……」  コウは、憂いを帯びた表情で、本当に少しだけ、首を縦に振った。  場の空気を察した辰吉は、「それじゃ、おいらはここで」と去っていった。    三人きりになった境内は静かで、木々の葉が擦れる音がやけに大きく聞こえた。  コウは少し悲しそうな笑みを浮かべると、ぽつぽつと話し始めた。 「私、あなた様がお妾さんをもうけた時に、お義母(かあ)さまに言われていたのですよ。一年以内に赤子(やや)ができなければ離縁する、と」  祐作は驚きに言葉を失った。そこまではっきりと、自分の母がコウにそんなことを言っていたとは知らなかった。 「それで、子宝祈願にご利益があると聞いて、この神社にお参りをしに来ていたのです。何をしに行くか告げずに出かけていたから、私が間夫の元に通っているのでは、と噂になっていたことは知っていました。でも、私は放っておきました。それであなたがお妾さんたちのところに行く時間が減るなら一石二鳥ではないかと、そんな浅はかなことも考えておりました」 「コウ……」
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