いつか、あなたが笑ってくれますように

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はぁ。副島さんがひとつため息をついた。 「俺の母親とお前の母親ははとこの関係にある」 「え?」 一瞬何を言われたか分からなくて。 理解するまで少し間が空いた。 「そんなに驚くこともあるまい。変な奴だな」 副島さんが怪訝そうに目を細めた。 「俺の母親とお前の母親は家が近所ということもあり家族ぐるみの付き合いをしていた。お前の両親の事故の一報を聞いて、俺の両親はすぐに病院に駆け付けた。うちでお前を引き取るつもりでいたんだが、母に末期の癌が見付かってそれどころではなくなり、泣く泣く両親はお前を養護施設に預けたんだ。母は亡くなるまでお前のことを心配していた。もし何かあったときは四季を助けてやって欲しい。それが母が遺した最後の言葉だ」 副島さんは表情ひとつ変えなかった。 「泣くな。朝宮はお前のことになると人が変わるんだ。睨まれるだろう?」 言われてはじめて泣いていることに気が付いた。 「だって僕、何も知らなかったから」 鼻を啜りながら言葉を継いだ。
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