いつか、あなたが笑ってくれますように

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「副島が四季くんにこれを渡してくれって置いていったぞ」 お爺ちゃんが段ボールを運んできて膝の上に乗せてくれた。ずっしりと重い。何が入っているんだろう、中をそぉーと覗いた。 車のおもちゃに、パズルや、絵本、積み木などが入っていた。それと… 「お、懐かしいな。ビデオテープだ。SDカードもある。あとCD-ROMかな?祝七五三ってラベルに書いてある」 彼が段ボールの下の方からアルバムを見付けてくれた。 ページを捲ると僕が忘れてしまった幼い頃の僕がそこにいた。産まれて間もない頃の僕。お宮参り、お食い初め。いつも両隣にはニコニコと笑う在りし日の両親の姿があった。 「お父さん……お母さん……なんで僕だけ遺して先に逝っちゃったの。もっと一緒にいたかったのに、なんで……」 段ボールを抱えたまま泣き崩れた。 彼が何も言わず肩をぎゅっと抱き締めてくれて。寄り添ってくれた。 それからどのくらい泣いていただろうか。 ひとしきり泣いて顔を上げると、にこりと優しく微笑む彼と目があった。 「大切に保管してくれていた副島の両親に感謝しないとな」 「うん」 アルバムには学生服を着た副島さんの写真も一枚だけあった。僕と手を繋ぎ満開の桜を笑顔で一緒に見上げている写真。 それを見た瞬間、一度は止まったはずの涙がまた溢れてきた。 昔からずっと僕は副島さんや副島さんの両親に守れていたんだ。それなのに嫌われていると一方的に決めつけて悪者にしてしまった。 「副島さん、ごめんなさい」 全然覚えていないのが悔しくて。忘れてしまった自分に無性に腹が立った。
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