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チリチリと肌を焼く熱を放つアリッシュに起き上がって頭を下げるユラシル。この時代最強の『赤熱の女神』アリッシュがそう簡単にやられることは無いだろうし、警戒しているならユラシルも言うことは無い。
「んじゃ、教室戻りますかね」
「引き続き頑張ってくださいね。サボってたらすぐ私の耳に入りますから」
「一回学校抜け出しただけで本気で燃やされそうになったからな……もうやんねえよ心配すんな。じゃあな」
「はい、またいつでも来てくださいね」
ただ一人ユラシルが未来から来たことを知る理解者。アリッシュがいるだけでユラシルの精神的負担が軽くなるわけで、アリッシュがいる学校に通う点だけはありがたい状況だった。
教室に戻り次の授業を待ち構える。
さあ、後半戦の開始だ。
「だから違うよバズギー。もっと内側を感じるんだ、自分の中にある『ワールド』を感じ取らないと進歩しないよ」
「だァかァらァ!!その感じ取るやり方を教えろっつってんだよ!!」
「何度も言っているだろう?内にあるモワモワをピリッと感じるんだって」
「何度聞いてもわけわかんねえから言ってんだが!」
「ハァ、やれやれ」
「張り倒すぞテメェ!?やれやれはこっちの台詞だ!!」
「仕方ない、こうなったら僕より『ワールド』に詳しい彼に話を聞きに行こう」
「お前の指導力がカスだからそれしか無えな」
「人のせいはよくないな」
「事実だろっ!!」
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