103人が本棚に入れています
本棚に追加
とある教室を借りて指導と訓練に挑んでいた彼らは行き詰まった現状を打破するべく助けを求めに教室を出た。
七年生にして学園最強と呼ばれる銀髪の青年、レビック・ハインバイスとレビックのライバルである金色の髪色をした六年生、バズギー・ローズエッタ。学園トップツーとまで囁かれる二人は並んで廊下を歩き、その光景にすれ違う生徒たちは驚き振り返る。
「で?リーバックがどこいんのか知ってんのかよ」
「放課後にサラさんたちに『ワールド』の訓練をしているようだからね、確か中庭でやるとか言っていたよ」
「じゃあこっから行った方が早いな」
廊下の窓を開けて外に飛び出すバズギー。レビックはため息をつき、近くにいた生徒に窓を閉めてもらうよう頼んでから自分も飛び出し、三階から中庭へ下りる。
授業を終えて雑談をしている生徒がチラホラ。そんな中に目当ての少年たちを見つけて二人は歩み寄る。
「フ~~…」
「あふぅんっ……って!!ちょっと!何するんすからユラシルさん!!」
目当てのユラシルは少女みたいな可愛らしい顔付きをした小柄の少年の耳に息を吹きかけ、吹きかけられた少年が憤慨する。そんな光景を見てバズギーが露骨に顔を歪め、レビックはのんきに笑った。
「集中力が足りないぞシェリム。こんなのに乱されてたら『ワールド』会得は遠いぞ?」
「ぐぬぬっ…!」
最初のコメントを投稿しよう!