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(まぁ、目の届くところにいてくれた方が走り回らなくて楽だしいいか)
「拠点はやっぱり見張らしのいい場所だよな?」
「飲み水は確保したいよね」
「食料も取らないとだし、やっぱり固まってる方が狩りもしやすいもんね」
後ろをゾロゾロと話しながらついてくる生徒たちにユラシルは頭をかく。遠征なのに緊張感が無さすぎる。いくらユラシルがいるからといってこれはよくないわけで、
「喋ってると動物に気づかれて襲われるぞ。あと足音もうるさいからもうちょい静かに歩け」
意外と素直に従った生徒たち。ちょっと意外すぎたのかユラシルは目をパチクリさせる。
「みんな前回の遠征でユラシルくんがすごいことをわかってるんだよ」
「王前試合もあったしね」
「……ああそう」
素っ気ない態度のまま先を歩くユラシル。ユラシルを認めるには十分な材料があるおかげか、それでも基本団体行動が好きじゃないユラシルにはこの状況は窮屈でしかなかった。
しばらく島の中を歩き回っていると小さな池を見つけた。周りも少し開けているし、拠点を作るならここでいいかもしれない。
「動物も飲みに来るだろうから警戒だけはしっかりしてろよ。あと無闇に殺したり、植物採ったりするのも無しだ。ここは動物たちの住んでる場所でお邪魔させてもらってるってことを頭に入れとくように」
『はーい』
「…………引率の先生か俺は…」
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