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Yes,Fall in love
あくる日の放課後の部室。
今日は流石に男の格好である。
「君も大人気ないな、そこは黙って笑っていればいいのに」日暮先輩は、呆れているようであった。
「反省しています……」そう、別に俺がムキになる必要など全く無かったのだ。軽く癒しておけばあの場は収まった筈である。結局、あんな女はお断りって話になって、松下は見合いを勧められるであろう。
「まあ、結局、嘘なんだから、いつかはバレるわよ」詩織が珍しく慰めるように呟く。
「入るよ!」勢いよくドアが開く。そこには松下の姿があった。
「先生、何度も言いますがここは女子のクラブなのでノックをしてからドアを開けてください」日暮先輩が呆れ顔でたしなめるようにいい放つ。きっとクレームを言いに来たのだろう。俺は身を小さくする。
「このクラブだけど……」松下は言葉に詰まる。怒りを蓄積しているのであろうか。
「はあ……」日暮先輩は力のない返答をする。
「確か顧問の先生居なかったよね?」松下は唐突に質問する。顧問がいればその先生に文句を言う気らしい。
「ええ、まあ、居ませんけれど……」日暮先輩は、困ったように頭をかいた。
「どうだろう。僕にこのクラブの顧問をさせてもらえないかい?」唐突に放たれた松下の言葉。
「へっ!?」一同は拍子抜けした声を出してしまった。
「いや、あの後、逢坂君が帰ってから、父親と母親が激怒してさ……」やっぱり、変な女を連れて来たから怒ったのだろう。「いやあ、兄貴に、なぎささんと……、僕が別れたらどうするんだって、あんなに真剣に僕の事を思ってくれて、はっきり意見をいう娘さんは居ないって……、滅茶苦茶気に入ったみたいで、今度はいつ連れてくるって、昨日からそればっかりでさ」なんだか嬉しそうな顔をしている。
「えーと……、どういう事でしょうか……?」俺は訳がわからず、頭を捻った。
「君は見事に、仕事を完了させたって事だよ」日暮先輩が背中を叩く。
「それでさ……、君たちの活動を後ろからバックアップしたいんだ。僕に顧問をさせてもらえるかな?」
「ええ、私達は……構わないですけど」部員が一斉に俺の顔を見る。
「逢坂……、いや、なぎさくん。僕達でこのクラブを盛り上げよう」なぜか、松下は俺の両手を握りしめる。
「あ、……あ、は……い」詩織達に助けを求める視線を送るが、それは左に受け流されてしまう。
なんだこれは、突然のBLに突入なのか!日暮先輩を見ると、なぜか親指を立ててgood jobのポーズをしながら呟いた。
「Yes,Fall in love.」いちいち、古いねん。
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