手帳

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×月×日 天気曇り 今日は庭師から美しい薔薇を頂きました。 せっかくなのでご主人様のお部屋に飾らせていただきました。 殺風景なお部屋に色が加わり更に素敵になったと思ったのですがその日ご主人様はお怒りになりました。 「赤い薔薇を飾るのは二度と辞めろ。 赤は。。赤は。。とにかく赤いものは全て捨てろいいか庭の花達もだ。 分かったらさっさと仕事をしろ」 今まで使用人達を怒鳴りつける事はなかったご主人様がお顔を変え感情のままにお怒りなさりました。 それにしても赤いものをなくせだなんて一体なにが。。 そういえば昔ご主人様は黒は不吉だといい屋敷中の黒をなくせという事があったことを思い出した。 きっとまた同じかしらでも。。 でもあんなに取り乱すご主人様は始めて見ましたわ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ×月×日 天気雨 赤いものを徹底的に無くしたつもりだったのですが今日お出ししたケーキに苺がのっていた事にご主人様は異常なほどに取り乱していました。 用意した紅茶やお菓子やお皿全てを床に叩きつけ使用人達を怒鳴り散らしておりました。 責任者としてお部屋にお戻りなさったご主人様に謝罪しに行きました。 ご主人様も少しは落ち着きお話ができると思ったのですが少し変わった事を言われました。 「なぁお前もしかして気付いてるんじゃないななぁ。 気づいてるんだろ。 だからこの私に赤いものを見せてくるんだろうなぁそうだろう。」 椅子にお座りになっていたご主人様はこちらを見ずに後ろを向いたままそうおしゃったのです。 「一体なんの事でしょうか。赤いものを出してしまったのは全て私の責任ですが故意に出そうとしていたものではない事をお分かりただけたら幸いです。 失礼しました」 私はそう答えましたが何を言っているのかご主人様のお言葉に戸惑い少し早口になり早々とお部屋を出てしまいました。 ここ数日のご主人様は異常とも言えます。 一体何があったのでしょうか。。。
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