純愛・・・?

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起きてシャワーを浴びて念入りに化粧をする。今日の服はどうしようかな?……この前買ったワンピースにしよう。服に合ったバッグを選び、髪を整えてさぁ待ち合わせ場所に向かおう。 これで何度目のデートだったか?数え切れないほどデートをしている彼との出会いは街を歩いている時に声をかけられ、その辺のナンパ野郎と違う真面目なアプローチに負けて食事だけのつもりで着いて行った。適当にあしらうつもりだったのに、話してみると意外なほど趣味が合いつい意気投合してしまい連絡先の交換までしてしまったんだ。 そんな懐かしい思い出に浸りながら彼を待っていると「お待たせ」と彼が現れた。 いろんな分野で「美しい」と感じるポイントが一緒でいろんな場所に行ったけど、今日のデートは美術館だ。たくさんの美しいものをゆっくりと見て回り、夕食は静かな雰囲気のレストランへと行った。そこでまた美術館での美しいものの話をし、遅くなるといけないと彼は駅まで送ってくれた。 「そう言えば来週二十歳の誕生日だね。行きたい場所やプレゼントを考えておいてね」 そう言って彼と別れた。彼は結婚まで君を大切にしたいと指一本すら触れたことはない。それはいい。いいんだ。 ……来週が誕生日なんてウソなんだ。二十歳というのもウソ。本当は二十三歳なんだよね……。……さらに言うなら性別もウソで、女が好きなはずなのにあんな真摯な態度をとられすぎてどういうワケか惹かれ始めているなんて絶対に言えない……。……はぁ……どうすんだ俺……。
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