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黒い影が、背後から迫っていた。
幸いなことに、通りに子どもたちの姿はない。
「新選組の沖田だな。先日の仲間の仇、とらせてもらう」
敵の数は…七、八人程度。
一度に大勢を相手にするのは骨が折れる。
ここは狭い通路に引き込んで、一人ずつ斬るか。
冷静に状況を判断すると、身を翻して路地裏へとむかう。
「卑怯者め、腰の物を抜かんか」
「追えっ追えっ」
敵の数に怯えて逃げたと勘違いした浪士たちは、総司の思惑どおりに追いかけてくる。
馬鹿な連中で助かった。流石にあの数をひとりで殺るのはきつい。
それにしても参ったな…
これでは門限を過ぎて、外出していたことがバレてしまうではないか。
早いところ片づけて帰ろう。
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