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状況を語るモモは涙を流し、恭太は、苦虫を噛み潰したような顔をして俯いた。 どうして蓮がそんな行動に出たのか 彼の真意は分からないまま、直に到着した警察官に連行されて行き、瑠羽は救急車で運ばれて行った。 ナイフが刺さったままだった事、臓器への損傷がなかった事、これらが瑠羽が一命を取り留めた要因となっていて、命を失わずに済んだ事に関しては、安堵感を覚えた。 しかし、瑠羽は未だ意識不明のまま。 そして、友人として関係を持っていた蓮が、この様な犯行に及んだ事に、メンバーやモモ、大和はそれぞれ心に傷を負っていた。 まさか、蓮が瑠羽を殺そうとするなんて… 友人として心を許してきた者からの裏切り。 湧き上がる怒りと、それ以上の悲しみに、頭を抱え俯く者、涙を流しながら罵倒する者、メンバーは三者三様の様子を見せていた。 「俺がちゃんと瑠羽と合流していれば、こんな事には…」 恭太は、責任を感じ、ぶつける場の無い怒りに震えていた。 「恭太のせいじゃないんだ。 あんまり、自分を責めるな。」 「俺のせいでしょ!? 蓮が行方不明になってる事を聞いてたのに、瑠羽の所に来るかもしれないって…言われてたのに…」 恭太の瞳からは涙がとめどなく溢れていく。 大和は眉を下げ、泣きそうになるのを堪え、恭太の肩に手を置き、少しだけ微笑んだ。 「恭太のせいじゃない。」 やがて、恭太は声を漏らしながら泣き崩れた。 精神的に不安定になっていた蓮。 もっと 本人が嫌がっても食い下がって、彼に寄り添っていたら、何か変わっていただろうか。 今となっては、憤り、嘆き、変わらぬ過去を後悔する事しか出来ない事に歯がゆさを感じた。 気がつけば、だいぶ夜も深まっていて、恭太達を置いていく事に、後ろ髪を引かれる思いで、大和は帰宅をした。 その日の明け方 瑠羽が目を覚ましたと連絡が入っていた。 本当に良かったと胸を撫で下ろし、安堵感を覚えたが、今回、蓮が起こした事件は、Rose thornsのメンバーを更に追い詰めて行く事となる事に、その時は誰も予想出来なかった。
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