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夕焼けと落ちた君
帰路。隣には目を擦りながら欠伸をする私の彼がいる。手も繋いでる。小指同士。どうして小指かって?仕方ないじゃない、面映ゆいんだから。彼も凄い嬉しがってるし、別にいいでしょ。私は彼の方をジーッと見据える。こう見つめると綺麗な容貌してんなあ。
「なぁに?俺の顔見てどうした?」
「ん?綺麗な顔立ちしてんだなって見つめてた」
彼はそっぽを向く。夕日に照らされ、赤い頬が一層熱を帯びているようにも見える。
「…今のはずるい」と耳元で囁くや否や
彼は私の後頭部を大きな手で押さえつけ、上から私に唇を落とした。「可愛い。好き。美紅さん好き。」私の頭はもうパニック状態。落ちたのは彼じゃなくて私の方だったか……。
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