夕焼けと落ちた君

1/1

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

夕焼けと落ちた君

帰路。隣には目を擦りながら欠伸をする私の彼がいる。手も繋いでる。小指同士。どうして小指かって?仕方ないじゃない、面映ゆいんだから。彼も凄い嬉しがってるし、別にいいでしょ。私は彼の方をジーッと見据える。こう見つめると綺麗な容貌してんなあ。 「なぁに?俺の顔見てどうした?」 「ん?綺麗な顔立ちしてんだなって見つめてた」 彼はそっぽを向く。夕日に照らされ、赤い頬が一層熱を帯びているようにも見える。 「…今のはずるい」と耳元で囁くや否や 彼は私の後頭部を大きな手で押さえつけ、上から私に唇を落とした。「可愛い。好き。美紅さん好き。」私の頭はもうパニック状態。落ちたのは彼じゃなくて私の方だったか……。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加