君の思い出

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未来の事なんて、何も考えてなかった。 君との新しい思い出は、一緒に行ったコンサート。 一番後ろの座席はステージを見下ろし。 ド真ん中なそこに、仕方なくも満足した。 もう、一緒に見に来ることはできないだろうな。 分かってたけど、口には出さなかった。 だってそれは、いつだって会えると思っていたから。 コンサートなんて一緒に行けなくとも。 2人の関係はこのまま続いて行くと思っていたから。 私の旅立ちの日を聞こうとしない君に。 私も、きちんと話さなかった。 一番最後に会ったのは、仕事帰りのバスの中。 遊びに行くから、 そう言った彼女の顔を見たのは、バスを降りて手を振る時。 それが最後になるなんて、その時は思うはずもない。 君と連絡が取れなくなって、2週間。 やっとつながった先の言葉に、手が、震えた。 まさか、 まさか。 ねぇ、うそでしょ? 向かった先に見つけた君は、ICUのベッドの上。 管がいっぱい繋がった、君。 どうすればいい? こういう時、どうするの? 駆け寄って、泣き叫ぶ? ううん、実際そんなドラマの様な事、 出来るはずなんてないんだ。 だって。 頭の中がまっしろで。 なにも、考えられない。
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