二人の理想

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二人の理想

「……もうすぐだね?」  太陽の日差しがリビングを照りつける中、朝食のパンをかじりながら、春樹(はるき)は父親に問いかけた。 「ああ、もうすぐつながる。今日の夕刻(ゆうこく)」  ――秋菜に会える―― 「いよいよ今日ね」  ――ウォウ!――  暗闇の街灯(がいとう)の下、散歩に出た秋菜(あきな)は興奮するハルを()でながら、昔を思い出していた。  ――春樹に会いたい――  人が人に寄せる想い。それは(とうと)く、次元を超えてつながる。  勇気と決意。それは時空を、宇宙を変える可能性を秘めている。  僕が変える  私が変わる 「いつか二人の理想を求めて、ひとつになる世界を」  赤い果実の実る日が訪れる。
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