大好きな親友と親友の大好きな人-外-

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大好きな親友と親友の大好きな人-外-

「さっきたまたま伊織にあってさー、、、」 岡崎先輩との電話が終わると、 私はクッションを抱きベットに倒れこんだ。 「あぁっ、、、言っちゃったか、、、」 まさか、タイミングよく 伊織先輩と岡崎先輩が会って、 たまたまパン食い競争の話をするなんて。 「昼休みまではうまくいったのにな」 昼休み、パン食い競争のジンクス、 私は嘘をついた。 大好きな葵が幸せに、うまくいく為の嘘。 「大好きだよ、葵」 私は1年の時に葵と二人で初めて撮った写真を 携帯で見る。 高校入学式、私は嬉しさとドキドキで いっぱいだった。 だから誰よりも一番に教室に入りたくて、 早めに登校した。 そして教室の扉を開けると、 そこには一人の女の子がすでに居た。 それが葵、私たちの初めての出会いだった。 「お、おはうござます」 彼女は小さな声で私に言った。 高校デビューとは桁違い、 目を隠す位の長めの前髪と黒髪、 短めの白靴下と膝丈のスカート。 見ただけでわかる私とは違うタイプの子。 だけど私はその子に惹かれた。 入学して数日後、 葵に一緒にバスケ部の練習を見に行こうと誘った。 そして、葵にボールが当たりそうになった時、 伊織先輩が葵を助けた。 そしてその時、初めてちゃんと葵の目を見た。 キラキラしててまるで王子様に出会った様な、 純粋で素直で。 理由なんてわからない、ただそう感じたんだ、 仲良くなりたい、 私は葵が大好きだって。 知り合った時間なんて関係無かった。 私が葵を幸せにしたい。 だから私は、私の存在が邪魔だった。 気付いてた。伊織先輩が私に好意をもってる事。 学校一の人気者、好意を持たれれば誰だって嬉しい、 多分私も葵の好きな人じゃなければ、 少しは嬉しいと感じたのかもしれない。 私の好きな人は岡崎先輩。 伊織先輩じゃない。 私は私の大好きな親友の好きな人を 好きになんて絶対にならない。 そんな時、葵は事故にあった。 記憶喪失になった。 悲しかった、苦しかった、 もうダメかと思った。 でも再開した時、葵は変わった。 彼氏が出来てた。 学校一の人気者の為に、変わった。 前よりも明るくなった。 前向きになった。 前の記憶が戻るかはわからない。 だからその分もっともっと葵を幸せにしたいと思った。 だから始めは急に私の事を諦め 葵と付き合った事に疑問はあった。 本当に葵が好きなのか。 葵を幸せにできるのか。 伊織先輩であろうと誰であろうと 葵を苦しめる事は許さない。 でも思った。 だったら私が葵が幸せになる様に フォローすればいいんだって。 あの時も。 あの時も。 昼休みだって。 「新城結城、、、か」
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