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廊下には黄色い声援が飛ぶ-裏-
今日も無事1日が終わった。
俺は彼女の教室へと向かう。
廊下を歩くと女子たちが俺を見て、話しかける。
双葉の教室まで来ると、教室の扉を開けた。
遠慮する事もないのだけれど、
なんとなく下級生のクラスに
行くのは慣れないものだ。
教室を覗くと、
長い黒髪の少女が鞄に教科書を詰めていた。
そう彼女が俺の彼女である双葉葵。
「双葉」
「、、最上先輩」
「一緒に帰ろう」
今日で、あの日の事故から
5ヵ月が経とうとしていた。
そして俺が葵と恋人だとう嘘をつき、
俺たちが付き合いだして5ヶ月になる。
5ヶ月前
俺が高校2年の夏だった。
「好きです!先輩、私と付き合って下さい」
俺は見知らぬ女子に告白された。
化粧気もなく、どちらかというと地味な子だ。
告白なんて今月に入って何回目だろうか。
この子もいつもバスケ部を見に来ている子の
中に居る子なのだろうか。
俺と話をするのは初めてなのか。
この子には悪いが、正直どの子も
同じに見えてしまう。
俺はバスケ部のエースで、
友人たちは揃って言う、
俺は学校一のイケメンで人気者だって。
特に筋トレをしたり食事制限をしてりなど、
何をしているというわけでも無い。
もちろん頑張ってもいない。
ただこの顔に生まれてきただけ。
イケメン?人気者?そうなのか?
だが友人が言うのならそうなのだろう。
言われてけして悪い気はしない。
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