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フラれた私と運命の時-裏-
気まずい雰囲気が
二人の間に流れた。
今にも泣き出しそうな双葉が、口を開く。
「そうですよね、、、」
「うん。ごめんね」
あぁ、何も俺は悪くないのに、
なぜだか悪者になった気分だ。
すると、交差点の向こうから大型のトラックが、
遠くから走って来るのが見えた。
トラックはスピードも落とさず信号を無視して、
俺たち二人が立たずむ交差点へと突っ込んできた。
とっさの事で足が動かなかった俺を、
双葉が勢いよく投げ飛ばした。
「先輩危ない!!」
その後の事はまるで映画のようだった。
俺の代わりにトラックにぶつかった双葉は、
血を流し地面へと倒れた。
周囲の人たちもざわめきたつ。
俺は横たわる双葉になんども
声をかけたが反応はない。
事故を見ていた人がいち早く
救急車を呼んでくれていた。
到着した救急車2台に、
俺たちは別々に乗車した。
俺はただのかすり傷程度だった為、
救急車の中で処置される。
その間も双葉の事が気がかりで、
俺は手が震えていた。
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