高藤課長の落としもの

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「でも、意外でした。高藤課長、ご実家に住まわれてるんですね。なんか勝手に、格好良いマンションとかで一人暮らしのイメージしてました。」 「ああ、ははっ、格好良いかどうかは知らないけど、本当は一人暮らしだよ。今、下の階の人の騒音が酷くて、実家に避難してるんだ。」 「それは、大変ですね。大家さんとか、管理会社には?」 「勿論言ったけどね。大家さんは管理会社に任せっきりだし、管理会社は仕事する気まるでないしで、話にならないんだ。」 「えぇ、酷い!そんな事が許されるんですか?」 「普通は無いと思うんだけどね。もう諦めてる。話の通じる相手じゃないんだ。引っ越すしかないって、今新しい部屋を探してるところ。実家は姉が出戻ってるし、要もいるから手狭でね。」 「それは本当に大変ですね…。良い部屋が見つかると良いですね!」 「そうだね、ありがとう。新しい部屋が見つかったらさ、ウチ来る?」 えええぇぇぇぇーーーーー??? 何、何、何??? 私、部屋に誘われちゃってるの??? 本日、最大のイベント、キターーー!!! 「はい、喜んで!!」 「良かった。引越しの手伝いで頭数欲しかったんだ。」 って、白い歯を見せてニッコリ笑う高藤課長。 ………ですよね~。 〈end〉
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